代謝について【代謝を上げる方法の嘘・本当】

ダイエットに必要とされる「代謝」については、様々な情報が飛び交っていますね。
中には、間違っているかもしれない情報もありますから、まずは正しい情報であるかどうかを見極めておきたいところ。


もちろん、今後の新たな研究結果によっては、その見極めも覆されるかもしれませんが、現段階で伝えられている代謝を上げる方法についての「嘘説」、「本当説」の詳細をご紹介していきましょう。


※科学的根拠のあるなしに関わらず、あくまでも伝えれている「説」についてですので、嘘・本当双方の見解がある場合には、どちらもご紹介しています。

サウナで発汗…本当


サウナは一般的に、90℃程度の熱気浴。


そのサウナでは、体温をアップし、血管を開いて血液循環を正常化にするために、代謝を一時的に上昇させます。


そして、サウナによる代謝を上げる事を効果的にするためには、サウナ後に冷たいシャワーを浴びるか水風呂に入ることがおすすめ。


身体は冷水により刺激を受けて、体温に関わる細胞を活性化させますから、代謝を上げる効果が期待できるのです。

 

朝食で代謝を上げる…本当


朝は忙しすぎて食べる時間がない…そういう現代人が増えているようです。


しかし、朝食を抜いてしまうと代謝が悪くなる可能性が高くなり、ダイエッターにはかえって痩せにくい体質へと導く結果になることも。


就寝中は、基礎代謝との比較で活動量が約10%低下するとされていますが、起床後にホルモンや交感神経などの作用によって代謝を上げるのサポーターとなるものが朝食です。

 

カラの状態である消化管へと食べ物を送り込むことで、交感神経を活発化、体脂肪の燃焼をしやすくさせます。


そのためには、簡単な調理で済む食べ物だけでも朝食にすることが大切なのです。

 

ランニングで代謝を上げる…微妙


ダイエットのため、代謝を上げるのためにと、ランニングを習慣的に行っている人も多いことでしょう。


確かに、ランニングなどの有酸素運動を行うと、体脂肪燃焼作用を持つとされる、筋肉中のミトコンドリアを増殖させ、脂肪減少に必要である酸素などを運ぶ役割を持つ毛細血管を増やしてくれます。


しかし、過剰なまでにランニングを行うと、身体はより少なめのエネルギー量で活動を可能にする省エネモードへと切り替わってしまい、かえって代謝を悪くさせる可能性を高めてしまいます。


つまり、ダイエットのための代謝を上げるを目的とするならば、心地よい走りでほどよい発汗のランニングにするだけでOKと言われています。

 

ストレッチによる代謝を上げる…微妙


ストレッチは代謝を上げる事をしっかりサポートすると思われがちですが、ストレッチだけでは代謝への影響はないとも言われています。


当然、ストレッチにより緊張状態にある筋肉を解放し、柔軟性を高めて、コリや痛みの軽減には効果的でしょう。


ただし、全身の血行を良くするまでにはならないことから、代謝への影響はないのではと言われているのです。


とはいうものの、反動をつけつつメインの筋肉や関節の動作を効率よく行うラジオ体操のような動的ストレッチであれば、代謝を上げる効果に期待できます。


サウナスーツを着込んでランニング…嘘


サウナ後に水風呂だと、代謝を上げる効果が期待できておすすめと説明しましたが(※「サウナで発汗」参照)、サウナスーツを着込んで走ることも同じように感じられるものの、こちらはおすすめできません。


その理由に、筋肉における消費エネルギーのうちで、実際運動により使用されているエネルギーは20~30%とされ、残りは熱へと変換、体温アップに関わっているから。


体温が上昇すると、今度は下げるために発汗、その汗が外気に触れることで熱が奪われ、体温低下となるのです。


ところが、通気性に恵まれてはいないサウナスーツにより全身が覆われてしまうと、発汗後の蒸発はしづらく、体温低下も困難になるため、疲労ばかりが蓄積されやすくなってしまいます。


その疲労蓄積が運動機能を低下させるため、結果的に代謝も悪化すると言われています。

 

水を2リットル飲む…嘘


ダイエッターの基本として、「水を多く飲むことで代謝をアップし、痩せ体質に近づく」とよく言われています。


しかし、厳密に言えば、水を多く飲んだことが代謝を上げるに繋がるとは言い切れません。


私たちヒトは一般的に、1日の間で平均2~3リットルほどの水分を失い、その分の補給もしています。


補給の内、飲み物では一般的に約1.5リットルを摂取しているとされ、水分補給が不足してしまえば、血液循環・代謝を悪化させることに。


とはいえ、1.5リットル以上の水分摂取を行えば、血液循環・代謝が良くなる、というわけではありません。

 

余分に摂取した水分は、尿とともに排出されるか、むくみの原因になることもあるのです。


水分補給量については、多ければ多いほど代謝を上げるに繋がるということではありません。

 

硬水で代謝を上げる…微妙


マグネシウムやカルシウムなどが比較的豊富に含まれた水、「硬水」がダイエットに効果的と信じ、飲む習慣を続けているダイエッターも少なくはないでしょう。


硬度は、水に含まれるミネラル量によって決められており、硬度120ml以上の水が硬水とされています。


そんな硬水がダイエットのサポート飲料とされる根拠には、次の3点が挙げられます。
・お通じ改善…豊富に含まれているマグネシウムは、下剤の主成分として有名であり、お通じ改善に効果的とされています。


・代謝促進…含まれている豊富なミネラルは、アミノ酸との結合で、細胞の活性化を促進させる触媒となる「酵素」になりますから、硬水を飲むことで細胞は活性化され、食事誘発性熱産生を上昇、消費カロリー量を増やすことになります。


・脂肪吸収抑制…脂肪吸収抑制作用を持つカルシウムを含んでいますから、本来小腸で吸収される脂肪は、カルシウムと結合することで吸収されにくくなり、便として体外排出されることに。


上記3点を考えれば、確かに硬水がダイエットに効果的な飲料であると言えますね。


ですが、そこで飛びついてしまうのはNG。


副作用のことも考える必要があるのです。


硬水を習慣的に摂取すれば、リンパ系の病気になるリスクを高めるとされています。

 

日本は昔から軟水であり、日本人の身体は、軟水を受け入れやすくなっています。


そこへ、馴染みが薄い硬水を大量に継続摂取することで、身体に何らかの不具合が起こったとしても、不思議はありません。


さらに、硬水にダイエット効果が期待できるとは言っても、その有効的なパワーは他の方法に比べればまさしく微々たるもの。


元々水道水も硬水であるスペインやイタリアなどの国では、硬水の摂取が日常的ですが、かといって肥満度がかなり低いというデータはないのです。


微々たる効力を求めて、一般的に日本人の体質には合わないであろう水を飲み続け、副作用へのリスクを高めてしまうことは、最適なダイエット法とは言いづらいもの。


硬水ダイエットは、日本人が避けるべき方法と言っても過言ではないでしょう。

 

負荷が軽い筋トレ…微妙


代謝を上げるの方法では、筋トレが有名です。


とは言っても、負荷が軽い筋トレでは、効果の期待にはならないとご存知でしょうか。


筋トレによって筋肉量が1kg増えたとしても、代謝量としてはほんのわずかアップされるだけ。


つまり、負荷が軽い筋トレでは、筋肉量アップがあまり期待できませんから、代謝も上がらないとされているのです。


ただし、負荷が重いハードな筋トレを行えば、また別です。


ハードな筋トレによって筋肉量が大幅に増えると、内蔵や血管、骨など他の組織も、増えたり強くなったりするために、消費カロリーが増えることになるのです。


ですから、筋トレは全く意味がない、というわけではありません。


負荷が軽い・重いに関わらず、個人の体質・体格にもよりますね。


酵素の摂取…微妙


ダイエットアイテムとして人気になっている「酵素」は、サプリやドリンクなどが有名ですね。


その広告では、「○日で○kgの減量!」などという宣伝文句でダイエット成功への近道を強調しています。


もちろん、酵素と言えば消費カロリー量のアップに効果的。


細胞の活性化から食事誘発性熱産生量のアップに繋げやすくなることは、前述しています(※「硬水で代謝を上げる」参照)。


例えば、酵素ドリンクだと1日3食の内1食分を置き換え、消費カロリー量を増やすだけではなく、1日の総摂取カロリー量を減らすことになるので、ダイエット効果に大きく期待できそうなイメージを持つはず。


ですが実際には、酵素だけで痩せるということはかなり困難なことなのです。


まず、食事誘発性熱産生量を考えると、消費カロリー量からすれば、たったの1割を占めているだけ。


その1割のために頑張ったところで、ダイエットの効力はわずかなのです。


さらに、置き換えダイエットは継続が基本であり、途中で挫折、空腹が満たされないストレスから、結局暴飲暴食に走ってしまうなどのリスクが高いことも言えますね。


つまり、ダイエット効果に期待できる酵素ではあるものの、酵素だけで痩せるという考え方は、現実的・合理的とは言えないのです。

 

トクホ飲料で代謝を上げる…微妙


特定保健食品(トクホ)は、その効力について消費者庁が認定したおすすめ商品ということで、信頼度もなかなか高いもの。


しかし結局は、割合が少ない活動代謝量や食事誘発性熱産生量を増やすことだけを目的にしていますから、効率的ではないと言えます。


酵素ダイエットと同様に、これだけで痩せられるとは言い切れず、あくまでも補助程度、気休め程度と心しておくことが大切です。


半身浴で代謝を上げる…嘘


以前から、38℃前後のお風呂にみぞおちまで浸かるという半身浴は、代謝を上げる事に効果的とされてきました。


半身浴とは、心臓への負担がかかりにくく、体力があまりない人や高齢者などに安全な入浴法です。


しかし、副交感神経を優位にしてリラクゼイション効果が期待できることは確かであるものの、代謝促進に期待できるかと言えば、そうとは言い切れません。


ちなみに、心臓などに問題がないダイエッターでは、42℃前後の熱めのお湯で肩まで浸かる全身浴を10分間行うことをおすすめする説もあります。


この全身浴では、温熱刺激によるヒートショックプロテイン(HSP)の分泌が期待されており、身体作りに必要なタンパク質のクオリティを管理するHSPは、筋肉の疲労軽減から分解予防、代謝低下の予防へと繋げていきます。


全身浴後には、約15分間の保温と、発汗で失った水分の補給も忘れずに行うといいでしょう。

 

ビタミン類・ミネラル類の摂取…微妙


体内にてエネルギーを活用するには、ビタミンとミネラルが不可欠です。


例えば、ビタミンB群と言うと、糖質など3大栄養素における代謝に関わり、鉄分は、ミトコンドリアで3大栄養素を燃焼させるために必要な酸素を全身へと運ぶ赤血球への成分になります。


そういった意味でも、代謝の環境調整にビタミンやミネラルの摂取が必要となるのです。


そこで、フレッシュな野菜や果物から作るスムージーなどが流行りましたが、これもまた意外な盲点を持ち合わせています。


もちろん、ビタミンやミネラルの摂取には効率の良い方法です。


しかし、飲みやすさを求めるあまり、甘みのために果物を多くするなどから糖質を過剰摂取することにもなり、体脂肪を蓄積する可能性も高まるのです。


ですから、スムージーなどを作る場合には、野菜中心を心がけることが大切です。

 

体温が高ければ代謝が良い…微妙


一般的に、体温が高ければ、筋肉や細胞による熱産生は活発的ですから、代謝は良いと言えるでしょう。


しかし、体温調節をしながら代謝を上げるということは、そう簡単にできるものではありません。


体温には、身体深部の「深部体温」と、表層の「皮膚温」があり、基本的に双方による平均体温が導かれます。


深部体温にばらつきがあれば、脳の機能を正常に保てづらくなるため、基本的に外気温に関わらず、視床下部にて約37℃にキープされています。


皮膚温はそんな深部体温よりもやや低めであるため、外気温に影響されやすく、季節によっては特に手足の体温に大きな差が出てきます。


深部体温はもちろん測れませんから、体温が気になるダイエッターには、体重同様、毎日体温計で脇の下や口内皮膚温を測り、チェックしてはいかがでしょうか。


体温が下がれば生活習慣を見直し、改善を心がけるといいでしょう。

 

プロテインで代謝を上げる…本当


食事により、糖質(C)や脂質(F)、タンパク質(P)という3大栄養素はカロリーになります。


それぞれからどのようにカロリーが得られているのかという割合のことを、「PFCバランス」といいます。


日本人における平均的なPFCバランスとは、Cが60%、Fが25%、Pが15%とされていますが、この内P(タンパク質)の摂取量を増やすことで、代謝を上げる事の可能性が高まります。


そこには、DIT(食事誘発性熱産生)が関わってきます。


DITは、摂り込んだ栄養素が消化吸収の段階で発生する熱産生であり、DITが高くなるほど食後に代謝がアップされ、摂取カロリーは蓄積しづらくなるために太りにくい状態に。


3大栄養素の中でDITが最も高いのはタンパク質であり、約30%の摂取カロリーは熱となって消費されることになります。


肉類、魚介類などのタンパク質を積極的に摂取するようにして、どうしても苦手であればサプリなどのプロテインを利用するのもいいでしょう。


ただし、過剰摂取には要注意。

 

ショウガやトウガラシ…微妙


ショウガやトウガラシといえば、身体を温めてくれる食材ですね。


発汗によって代謝もアップされたと感じますが、実際に食後の体内では熱量が増え、代謝はアップ、体脂肪も増えたことになります。


トウガラシには、カプサイシンという辛味成分が含まれていて、この成分が交感神経を刺激、体内で熱の発生に関わる褐色脂肪細胞と筋肉を活発的にします。


ショウガでは、カプサイシンと似た作用を持つジンゲロールに加え、ショウガオールやジンゲロンといった3種の辛味成分が含まれています。


トウガラシやショウガを使った料理など、調理法によってはカプサイシンなどの代謝改善効力をしっかりと得られるはず。


ただ、トウガラシやショウガによる発汗作用は一時的なものであり、その後すぐに身体は冷えてしまうという説も否めません。


また、ダイエット効果の期待から、辛いものばかりを食べることで、内蔵に大きな負担がかかってしまい炎症を起こしたり、内蔵はもちろん細胞の老化を進めたりするリスクも考えられます。


さらには、食事で辛いものが苦手なダイエッターに大人気の、カプサイシン入りサプリも挙げてみましょう。


このサプリを摂取して運動をすれば、脂肪燃焼効果に大きな期待ができるという謳い文句をよく耳にしますが、サプリは薬ではないとはいえ、個人によっては副作用を強く感じることもあるのです。


しかも、通常の食べ物とは違った科学的な異物を大量に含んでいるサプリが多く市販されている現状も知っておくべきでしょう。


食事で辛いものを摂る代わりに、身体が不必要とする異物を摂取したことで、その消化吸収のためにも消化酵素が必要となります。


貴重な消化酵素を無駄遣いしてしまったことで、代謝酵素は不足し、代謝の低下に繋がるとも言われています。

 

まとめ

 

以上、代謝にまつわる様々な見解についてご紹介してみました。


当然ながら、今回ご紹介した以外にも、ダイエットを成功させるために重要なキーとなる代謝についての情報は多くあります。


そして、その情報が正しいかどうかについてもまた、人それぞれの見解があることでしょう。


大切なことは、得た一情報をすぐに鵜呑みにしてしまうのではなく、正しい情報であるかどうか、科学的根拠はあるのか、弊害についてはどうなのかなどと自身で深く追求、調べながら知識を広めること。


加えて、自身の体調やライフスタイルなどのことも考え、そのダイエット情報が自身にとって役立つものなのか、合うものなのかを考えることが先決です。

 

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